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床置型エアコンが粗大ゴミになった時の撤去方法

急速暖房に適していて価格が安いことがメリット

通常エアコンといえば、天井に埋め込まれているタイプか天井ギリギリに設置されているものを想像するのではないでしょうか。
天井か天井ギリギリに設置されているため、上から下へと冷風や温風が吹きつけるイメージをお持ちの方が多いようです。
このように一般的には部屋の上部に設置することが多いわけですが、床置型は天井付近ではなく床の上に設置します。
いわゆる据え置き型と呼ばれているタイプです。
普通は天井付近に設置するのが一般的であるのに、どうして床に設置するのだろうと不思議に思うかもしれません。
天井ではなく床に設置するのは、部屋の床部分をすぐに温めることができるからです。
性能の良し悪しは暖房がどれくらいきいているかで判断されるくらい、エアコンは暖房を苦手としています。
それは、上から下向きの温風だけでは部屋の床部分を効率的に温めることができないからです。
ところが、床置型なら、下から下向きの風と下から上向きの風の両方を出すことができます。
下から下向きの風を出すことができることから、起動してすぐに床部分を温めることができます。
寒い地域での利用が多いのは、下から下向きの風によりすぐ暖房ができるからです。
夏はかなり暑くなるのに冬は寒い大阪市でも、すぐ暖房ができるのはうれしいメリットなのではないでしょうか。
それに、このようなメリットがあるにもかかわらず、価格がかなり安くなっているのもうれしい特徴です。
同じ機能なのに安いのは、無理に天井に設置する必要がないため、ラクに設置することができるからでしょう。
脚立に上って重い室内機を設置することを考えれば、直接床に設置することができるわけですからラクに設置することができます。
そのメリットが価格に反映されているからでしょう。
このようにメリットの多いものの、平均的な寿命は10年程度と他の家電とそれほど変わりません。
寿命が来たなら粗大ゴミとして廃棄するしかないのでしょうか、撤去する時はどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。

電気式のマルチタイプとガス式のTESタイプ

電気式のマルチタイプの撤去方法は、天井に設置されていても床の上に据え置きされていてもまったく変わることはありません。
まず、室内機を取り外す前に、冷媒となっているフロン類を室外機に回収します。
専門的な知識と経験があれば、フロン類を回収することはそれほど難しいことではありません。
地球温暖化を促進するフロン類の発生を抑制することは、地球環境を守るためにぜひ行わなければならないことです。
できうる限りフロン類の回収を行い、その後で室内機と室外機、鋼管などを取りはずします。
サイズが大きかったとしても、この手順に変わりはありません。
一般に使われている電気式のマルチタイプは、この手順で取り外すことができます。
ところが、一時期販売されていたガス式TESタイプは、この手順だけでは撤去することはできません。
TESタイプは、一時期ガス会社が熱心に売り込みをかけていたため、多くのご家庭やマンション、アパートなどで使われています。
熱心にPRされていましたが、すぐに売り上げ不振から販売縮小、そして撤退を余儀なくされてしまいました。
その一時期販売されたガス式TESタイプは、もうそろそろ販売から20年、30年経とうとしています。
もうすでに寿命を迎えた製品も多く、寿命が来たガス式を粗大ゴミとして捨て、電気式マルチタイプに買い替えたいという方が多くなっているようです。
20年以上前の製品をそのまま使っていたのでは、コストパフォーマンスが悪く冷暖房にかかる費用が嵩む一方でしょう。
コストパフォーマンスにすぐれた電気式マルチタイプに、買い替えたいと考える方が多くなったとしても無理はありません。
まが使用している方は、廃棄する前にガス会社に依頼してガス配管を切り離してもらい、温水管から必ず水を抜きメクラ処置を行ってもらいましょう。
冷媒配管は、そのまま使用するかしないかによって処置が違ってきます。
新しく買い替えるのでなければ、危なくないように加工してからそのまま使用することも可能ですが、使用しない場合は冷媒配管の新設工事が必要です。
電気式に買い替えるのであれば、電気回路の新設・増設が必要になる場合があります。
この場合は、別途電気回路の新設・増設の工事をしてから、新品を設置することになります。
床下などから直接ガス管・温水管を取り込んでいた場合は意外と簡単にできますが、壁に沿わせて配管されていた場合は壁や天井の工事をしなければならないこともあります。
また、天井付近に新たにコンセントを新設しなければならないケースもありますから、コンセントを新設する必要があるかどうか事前に検討しておきましょう。
新品に買い替えたいだけなのに、壁や天井の工事をしなければならないことも少なくありません。
また、新品を購入するからと家電量販店に依頼しても、うちでは難しいからと断られる方も少なくありません。
工事が必要な場合、通常の作業内容に収まらないため、家電量販店としても後々のトラブルを避けたいため断ってしまうのでしょう。
そのため、買い替えたいと思いつつ、ガス式の床置型エアコンを使い続けている方もいます。
専門知識と経験があれば、撤去はもちろん電気式マルチタイプへの交換は可能です。
家電量販店に断られたから無理だと諦めるのではなく、専門の業者に依頼しましょう。
コストパフォーマンスが悪い製品を使い続けるのは、お財布だけでなく地球環境のためにも良くありません。
経験のあるところに依頼をすれば、天井や壁などを壊さなくても新品を設置することは可能です。

適切な方法での処分を

家庭用だけでなく業務用にも、冷媒としてフロン類が使用されています。
フロン類は、ウイーン条約やモントリオール議定書によって生産と消費の抑制を義務づけられています。
また、フロン類の代わりに使用されてきた代替フロン類は、二酸化炭素の数百倍から数万倍の温暖化効果があるため排出削減が急務となっている現状です。
そのために、家庭用は家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられ、業務用はフロン回収破壊法により対策が講じられてきました。
ところが、室内機を取り外す前に、フロン類を回収しなければならないことご存知ない方も多いようです。
そのため、リーズナブルな価格で取り外してくれるならと、専門家ではない引っ越し業者などに依頼することもあります。
もちろん、引っ越し業者のすべてが、知識もなく取り外しを請け負っているわけではありません。
自分の知識の範囲内の業務を請け負っているのは一部の引っ越し業者だけでしょうが、家電リサイクル法でリサイクルが定められている品目を処分するわけですからユーザーにも責任の一端はあります。
政府は小売業者に、フロンの回収を行うためのポンプダウンを実施、回収するように促しています。
ポンプダウンが難しい場合は、冷媒回収装置などを使いできるだけフロン類を回収するように努めなければなりません。
床置型エアコンの取り外しは簡単なように見えますが、このように考えるとなかなか難しいものがあります。
まずは小売店に依頼し、それがダメなら製造メーカーに、それも難しいようなら一般廃棄物収集運搬業許可を持っている許可業者に依頼しましょう。
許可業者の多くは、回収・運搬だけでなく撤去も行っていますから、安心して依頼することができるはずです。

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